なじみの無い「麻酔科」の診療内容とは

なじみの無い「麻酔科」の診療内容とは

医療現場はたくさんの診療科にわかれているのは周知でしょう。外科・内科・精神科など、大抵はその科名を聞けばなんとなく診療内容の想像がつきますが、「麻酔科」はなじみが無い上、どのような診療をしているのか想像しにくいですね。

麻酔と言えば、手術前に必ず行われる施術です。もちろんこれは、麻酔科医師の重要な仕事です。では手術以外に何を?どんなことを?麻酔は神経をブロックして痛みを感じないようにします。それは、手術時だけでなく、術後の痛みや現在の医療では完治できない症状の痛みを和らげることにも有効です。そういった「ペインクリニック」という不調を専門的に扱う医療部門があります。日本では、「ペインクリニック」の標榜はまだ認められていませんので、病院などでは「麻酔科外来」と表記されています。

今日、ガン等の重い病気ではなくても、慢性的な頭痛や腰痛に悩まされている人は大勢います。また、そのような症状には根本的な治療が無い場合が多いのが現状です。麻酔科では、そうした患者さんたちに、神経節に局所麻酔を施すことによって症状の緩和や改善を行います。「麻酔がくせになってしまうのでは?」という心配もあるかもしれませんが、痛みを我慢していると、血流が悪くなったり、痛み悪化させる物質が作り出されるなどの悪循環が起こります。痛みを抑えることで、治癒を促進する側面もあるのです。